MRJが世界を飛ぶ日

またキャンセル「スペースジェット」三菱重工にも暗雲

平野純一・経済プレミア編集部
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スペースジェットの試験10号機(手前)=名古屋空港で2020年3月18日、平野純一撮影
スペースジェットの試験10号機(手前)=名古屋空港で2020年3月18日、平野純一撮影

 国産初のジェット旅客機「スペースジェット」を開発する三菱航空機は1月8日、米国の航空機リース会社エアロリースから受注していた20機が契約解除になったと発表した。親会社の三菱重工業が開発を一時中断するとした2020年10月以降では初めてのキャンセル。これでスペースジェットの受注残は287機(基本合意を含む)になった。

 スペースジェットは、全日本空輸が25機を発注したのをはじめ、日本航空が32機、米国のスカイウェスト航空が200機など、順調に契約を伸ばしてきた。最大で447機にのぼったが、相次ぐ納入延期で一転して、18年に米イースタン航空が40機、19年に米国の地域航空会社トランス・ステーツ・ホールディングスが100機をキャンセル。今回のエアロリース20機を加えると、キャンセルは計160機になる。

米国の試験拠点を事実上閉鎖へ

 エアロリースの契約解除は20年12月31日。三菱航空機は、開発再開のメドがついた時点で、エアロリースと再契約の交渉をすることで両社が合意したとしている。航空アナリストは「機体がいつ納入されるのかまったく見通しが立たないなかでは、キャンセルは仕方のない措置」と話す。

 三菱重工は21~23年度の3年間のスペースジェットの開発費を計200億円(年67億円程度)とし、この間は試験機も飛ばさず、開発は一時中断する。米ワシントン州モーゼスレークの空港には試験機4機を置いているが、パイロットや試験担当者は3月末までに帰国し、機体を管理する最低限の人員を残して試験拠点を事実上閉鎖することも決めた。

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平野純一

経済プレミア編集部

1962年生まれ。87年毎日新聞社入社。盛岡支局、サンデー毎日編集部、経済部、エコノミスト編集部などを経て2016年から現職。金融、為替、証券、マクロ経済などを中心に取材。