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英国の「EU完全離脱」で高まる“相互の火種”とは

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今のところ物流に大きな混乱はないが……(1月5日、英ドーバー港) (Bloomberg)
今のところ物流に大きな混乱はないが……(1月5日、英ドーバー港) (Bloomberg)

 英国が2020年12月31日深夜、欧州連合(EU)から完全に離脱した。フランスのドゴール大統領が1961年、「英国は米国のトロイの木馬」として英国の欧州経済共同体(EEC)加盟を拒否してから60年。英国はEUの前身、EC(欧州共同体)へ73年に加盟したが、英国と大陸欧州の山あり谷ありの関係がついに幕を閉じた。今後は近くて遠い関係が続くことになる。

 英国がEUと離脱協定で合意し、正式にEUを離脱したのは20年1月。その後、年末までは事実上EUにとどまる移行期間とし、離脱後の英国とEUの関係を規定する将来協定の交渉に入っていたが、(1)漁業権、(2)公平な競争環境、(3)紛争解決のためのガバナンス――の3点で難航。当初は20年10月末に設定された交渉期限は幾度となく延長され、12月に入ると日々緊迫した状況が続いた。

 結局、英国とEUは将来協定について、移行期間終了間際の12月24日に合意を発表。しかし、当初は午前中に発表する予定だったが、EU側が漁獲量の古い統計をもとに交渉していたことが判明したため、午後の発表に延期されるなど、最後の最後まで混乱が続いた。その後、EU側は29日に加盟国政…

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