
NTTドコモやソフトバンクが相次いで発表した低価格の料金プランにKDDIも対抗した。同社は3月に新料金プランの「povo(ポヴォ)」を導入。料金は、ドコモやソフトバンクより500円安い月2480円を打ち出した。
月に利用できるデータ容量は、他社と同様20ギガバイト(GB)で、契約はネット専用になる。店頭での手続きや、サポートを受けることはできない。SIMカードの情報をオンラインで入手できる「eSIM」に対応。当初は4Gのみだが、夏ごろには5Gにも対応する。
ニーズに応じてプランを変更
月2480円と他社より安いのは、5分間の音声通話定額(月500円)を「トッピング」と呼ぶオプションにしたためだ。KDDIの高橋誠社長によると、ポヴォのターゲットになる若年層の利用者の6割は、1カ月の通話が10分未満に収まるという。音声通話定額のトッピングをつけなければ、30秒20円の通話料がかかるが、通話をLINEなどのアプリで済ませてしまう人にとっては、他社より割安になる。
このトッピングの仕組みが、金額以上に他社の20GBプランとの大きな違いだ。20GBのプランはあくまでベースで、利用者はここにトッピングを追加できる。
5分間の音声通話定額の他に、時間制限のない音声通話定額(月1500円)も用意。データ通信の容量を24時間単位で無制限にできるトッピングも1回200円で提供する。動画を集中的に見たり、出張でパソコンなどをつないだりするときだけ、24時間単位でデータ容量を無制限にできる。トッピングによって、料金プランの中身を変えられるというわけだ。
トッピングは、今後もさまざまな種類を追加して…
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石野純也
ケータイジャーナリスト
1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。