スルガ銀行 不正の構図

スルガ銀が「アパマン調停」で“一律解決”を拒む理由

今沢真・経済プレミア編集部
  • 文字
  • 印刷
弁護団の記者会見=東京都千代田区で2020年12月23日
弁護団の記者会見=東京都千代田区で2020年12月23日

 スルガ銀行の投資不動産向け不正融資問題で、昨年12月23日に記者会見した「被害弁護団」は、同行のアパート、マンション向け融資に関する民事調停の経過を報告した。現状、弁護団とスルガ銀行それぞれの主張には大きな隔たりがあるという。

 この問題は、同行の融資を受けてシェアハウスを購入した人たちが、それ以外に中古アパート1棟やマンションの一室を同行の融資で購入しており、返済が困難になっているものだ。昨年9月、アパートやマンションの購入者25人が「シェアハウスと同様の不正が行われていた」として東京地裁に民事調停を申し立て、協議が続いている。

 25人は会社員が多く、平均年齢は48歳。購入したのは合わせて33物件で、スルガ銀行から総額約32億円の融資を受けた。一部は返済しており、現在の融資残高は30億円弱。築23年の中古物件を4億7600万円の融資を受けて購入したのが最多融資額だった。

開示書類から改ざんや偽造84件

 弁護団はスルガ銀行に対し、融資当時の関連書類を開示するよう求めてきた。銀行側は開示を始めており、弁護団が精査すると、33物件のほぼすべてで改ざんや偽造が確認されたという。その内容は、通帳や証券の残高改ざん24件、手付金などの領収書偽造18件、売買契約書の内容の改ざん14件など。全体で不正は84件を数えたという。

 弁護団の副団長を務める紀藤正樹弁護士は「これだけ多数の改ざん、偽造が行われていたのは衝撃的だ。偽造がなかったら融資は行われていない。スルガ銀行の悪質さが際立っている」と厳しく批判。そのうえで、「スルガ銀行には『定型的な不法行為』が認められる」として一律に責任を取るべき…

この記事は有料記事です。

残り733文字(全文1431文字)

今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。