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勤続38年2060万円まで非課税「退職金優遇」なぜ問題か

渡辺精一・経済プレミア編集部
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「税制改正」これからどうなる(2)

 会社員が老後資金を考える場合、退職金の存在は大きい。退職金の受け取りには手厚い税優遇があるが、税の中立性から、それを見直すべきだという議論がある。2021年度の与党税制改正大綱は今後の検討課題として盛り込んだ。何が問題なのか。

3段階で税優遇

 退職金は、給与の後払いや長年働いたことへの報償という意味合いがあり、厚生労働省「就労条件総合調査(18年)」によると81%の企業がその給付制度を設けている。

 退職金には一時金と年金の二つがある。会社により、一時金のみ▽年金のみ▽一時金と年金を併用し受け取り方が選べる――など制度が異なる。

 一時金で受け取る場合は金額が大きくなり、税(所得税・住民税)を計算する際、給与などと一緒にすると税額が膨らんでしまう。そこで、給与など他の所得と分けて「退職所得」として独立して税額を決める。

 やりかたはこうだ。まず、退職金額から退職所得控除額を差し引く。控除額は、勤続20年までは1年あたり40万円で、20年を超えた年からは同70万円に増える。さらに残った額の半分を課税対象(課税退職所得金額)とし、それに税率を掛け、税額を出す。

 つまり(1)非課税となる控除額が大きい(2)控除後の額をさらに半分に圧縮する(3)他の所得と分ける分離課税のため税率も低い――という3段階で税負担を軽くしている。

 退職金への課税は、会社の源泉徴収で済み、確定申告の必要がない。このために税額を意識しにくいが、こうした税優遇によって非課税となる人は多い。

 22歳で大学を卒業し60歳定年まで38年間働いた人は2060万円までなら非課税だ。就労条…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。