海外特派員リポート

アリババ支配の「中国ネット通販」で注目の新興勢力

小倉祥徳・毎日新聞中国総局(北京)特派員
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インターネットで生配信された日本産品のPR番組。右端は貴島善子・駐中国公使=北京市内で2020年12月19日、小倉祥徳撮影
インターネットで生配信された日本産品のPR番組。右端は貴島善子・駐中国公使=北京市内で2020年12月19日、小倉祥徳撮影

 インターネットで映像を生配信しながら商品を販売する「ライブコマース」が中国で急成長している。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出制限を契機に認知度が一気に広がり、2021年の市場規模は19年の約5倍にあたる2兆元(約32兆円)に達するとの予測もある。

 中国当局は現在、アリババ集団ら既存のネット通販大手への規制を強めている。ライブコマースでは、新興勢力が他のネット媒体で影響力のある「インフルエンサー」を積極起用し、消費者の購買意欲をかき立てるケースも目立っている。

 「中国人は刺し身やすしが好きですが、わさびしょうゆはほかの食べ物にも使えますか?」「刺し身以外でも霜降りステーキや焼き肉につけてもおいしいです」―――。

 中国版ツイッター「微博」を運営する新浪微博の北京本社内の特設スタジオ。昨年12月、貴島善子・駐中国公使は、中国人「インフルエンサー」らと刺し身などの日本料理を囲み、中国語で静岡県のわさびや北海道のスイーツなど各地の名産品を紹介した。

 取り組みは外務省の20年度「地域の魅力海外発信支援事業」の一環で、月間利用者5億人超とされる微博上で生配信された。紹介した商品には、ネット通販のリンクを張り、スマートフォンやパソコンで視聴した人々が即時購入できるライブコマース方式を採用した。

「インフルエンサーのお勧め、安心できる」

 中国では近年、経済成長に伴う中間所得層の拡大や電子決済サービスの急速な普及などを背景に、ネット通販が成長を続けている。19年の市場規模は10.6兆元(約170兆円)に達しており、コロナで「巣ごもり消費」が定着した20年はさらに拡大を続けた。

 そんな中、…

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小倉祥徳

毎日新聞中国総局(北京)特派員

東京都生まれ。2001年入社。秋田支局を経て06年から東京経済部で財務省、内閣府、経済産業省、国土交通省、日銀、証券、エネルギー業界などを担当。17~19年には中部本社でトヨタ自動車などを取材した。東京経済部、外信部を経て20年10月から経済担当の中国総局(北京)特派員。