鉄道カメラマン見聞録

小田急の代名詞「ロマンスカー」の由来と歴代の勇姿

金盛正樹・鉄道カメラマン
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美しいサイドビューを見せる7000形=神奈川県の小田急電鉄小田原線・栢山-開成間で2013年12月16日、金盛正樹撮影
美しいサイドビューを見せる7000形=神奈川県の小田急電鉄小田原線・栢山-開成間で2013年12月16日、金盛正樹撮影

小田急電鉄ものがたり(1)

 これまで主に国鉄時代やJRの路線や車両についてお話ししてきましたが、今回から民鉄にも触れたいと思います。まずは関東大手民鉄9社の一つ、小田急電鉄について紹介しましょう。

 同社は1923年に設立した小田原急行鉄道が母体となっています。第二次大戦中の42年に東京急行電鉄に統合され、いわゆる「大東急」となりました。戦後の48年には東京急行電鉄が再編成・分割し、現在の小田急電鉄となりました。

 新宿-小田原間の小田原線をはじめ、江ノ島線(相模大野-片瀬江ノ島間)、多摩線(新百合ケ丘-唐木田間)の3路線を保有し、総延長は120.5キロとなっています。

他社にもあった「ロマンスカー」

 小田急電鉄と言えば、代名詞となっているのがロマンスカーです。元をたどると、戦後の映画館や喫茶店などで見られた2人掛け座席を「ロマンスシート」と呼んだそうです。そんな2人掛けの専用シートを搭載した車両を「ロマンスカー」と呼び、他の鉄道会社も広く使う一般的名称でした。

 それがいつしか小田急電鉄の専売特許のような人気車両となり、小田急電鉄が「ロマンスカー」を商標登録したのでした。現在、東京都心と箱根湯本(箱根登山鉄道乗り入れ)、片瀬江ノ島を結ぶ特急として運行しています。

懐かしいLSEと旗艦のVSE

 それでは歴代のロマンスカーのうち、代表的な車両を見ていきましょう。

 「7000形電車」は「LSE=Luxury Super Express」の愛称で呼ばれ、80年に登場した後、2018年まで第一線で活躍した車両です。1982年には当時の国鉄に貸し出されて、東海道線で試験走行をした実績も…

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金盛正樹

鉄道カメラマン

 1967年神戸市生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業後、商業写真プロダクション「ササキスタジオ」に7年間在籍。1996年からフリー。鉄道専門誌や一般誌に写真を発表している。「鉄道と名のつくものは、実物から模型、おもちゃまで何でも撮影する」がモットー。日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。鉄道と同じくらいクルマも好きで、愛車はスズキジムニー。機械式カメラ、日本史、日本刀など趣味多数。