海外特派員リポート

トランプ氏「アカウント凍結」で議論呼ぶSNS言論統制

中井正裕・北米総局特派員(ワシントン)
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米議会議事堂を囲むトランプ大統領(当時)の支持者=米ワシントンで2021年1月6日、高本耕太撮影
米議会議事堂を囲むトランプ大統領(当時)の支持者=米ワシントンで2021年1月6日、高本耕太撮影

 米国のトランプ前大統領の支持者による米議会乱入事件(2021年1月6日)を受け、米ツイッターやフェイスブック(FB)などインターネット交流サイト(SNS)大手は「暴力を扇動した」として、トランプ氏のアカウントを無期限で凍結した。

 これまでトランプ氏の扇動的な投稿を容認してきたSNSの対応が甘すぎたのか、民間企業による「言論の自由の封殺」なのか――。現職大統領(当時)が主要SNSから締め出されるという事態は、ネット上のコンテンツ規制のあり方をめぐる議論を巻き起こしている。

現職大統領が締め出しに

 「質問を頂いた皆様へ。私は1月20日の大統領就任式には出席しない」。ツイッター社はこの投稿について「就任式での暴力を誘発する可能性がある」と判断。トランプ氏のアカウントを永久停止にする決め手となった。

 米議会乱入事件の直後、トランプ氏はツイッターへの投稿で議会に乱入した集団に帰宅するよう呼びかけつつ「偉大な愛国者」と表現し、集団を支持する姿勢をみせた。

 ツイッター社は即座にアカウントを12時間凍結したが、解除後の7日の投稿も不正選挙説を訴えており、「さらなる暴力行為をあおりかねない」として永久凍結に踏み切った。

 FBやグーグルの動画共有サイト「ユーチューブ」など主要SNSも相次いでトランプ氏のアカウントや公式チャンネルを無期限で凍結。さらに、グーグルとアップルは、投稿規制が緩くトランプ支持者が集結する新興SNS「パーラー」をアプリストアから削除。米アマゾン・コムはパーラーに対するクラウドサービスの提供をストップした結果、パーラーはサービス停止に追い込まれた。

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中井正裕

北米総局特派員(ワシントン)

1975年京都府生まれ。立命館大学法学部卒。2000年毎日新聞入社。岐阜支局、中部報道センターを経て、09年から経済部で電力改革、貿易交渉、日銀などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。18年10月から現職。