職場のトラブルどう防ぐ?

「手術で心臓に人工弁」51歳会社員が知った障害者控除

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A夫さん(51)は、金融機関で運用を担当をしています。2年ほど前のある日、大きな病気を患って手術を受け、治療の一環で心臓に人工弁を取り付けました。その後、順調に回復して職場に復帰することができました。そして、その年の年末調整で総務担当者から「A夫さんは障害者控除を受けられるのではないか」と言われました。A夫さんは自分が障害者にあたるとは考えていなかったため、驚きました。

背中に激痛で救急搬送

 A夫さんはもともと高血圧で、医師に不整脈と診断され薬物治療をしていましたが、日常生活や仕事に大きな影響はありませんでした。

 しかし、2年ほど前のある朝、出勤前に背中から腰にかけて激痛が走りました。尋常な痛みでなく、救急車で病院に搬送されました。医師の診断は大動脈解離で、手術を受け、治療の一環として弱っていた心臓に人工弁を取りつけました。

 半年ほどの入院と自宅療養を経て職場に復帰しました。すると、その年の年末調整の際に会社の総務担当者から「人工弁をつけていると税法上の所得控除(障害者控除)を受けられるのではないか」と言われました。調べてみると、控除だけでなく、障害年金を受給できる可能性があることもわかりました。

障害者控除の条件

 従業員が病気やケガで障害と認定された場合に受けられる障害者控除と障害年金…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/