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事業を見直す!星野リゾートが白い馬車をやめたのは

星野佳路・星野リゾート代表
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星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で、北山夏帆撮影
星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で、北山夏帆撮影

 星野さんの父親が社長だった1980年代、白い馬車で新郎新婦を迎え、軽井沢の教会で結婚式を挙げるプランが人気を博していました。しかし、星野さんはこれを廃止します。なぜだったのでしょう。

星野佳路の家業のメソッド

 当時、星野温泉旅館(現・星野リゾート)が運営する軽井沢高原教会の白い馬車は人気があり、収益になるのであれば維持しようと思っていました。しかし、市場調査を重ねていくと、白い馬車が新しい価値観や新しい良さを見つける層に評価されていないことが分かってきました。白い馬車を希望する人も多かったので、収益的には悪くないように見えましたが、流行遅れになりつつあったのです。

 ブライダル業界は、流行に左右されやすい業界です。かつては専門式場、そこから海外ウエディング、レストランウエディング、ハウスウエディングと人気が移り変わってきました。なぜ短期間に、はやり廃りがあるかと言えば、価値観はすぐに変わってしまうからです。流行は3年周期で、4~5年もすれば流行遅れになってしまう。それについて行くのは大変です。

「流行に乗る」をやめる

 そこで流行に乗るのはやめ、その時々の結婚式の組数を追うのではなく、30年間の組数を最大化することに決めました。白い馬車を廃止するのは簡単でしたが、それに代わる事業モデルを見つけるのに3年かかりました。

 我々が行き着いたのは、「お姫様になりたい」という層ではなく、「両親や家族に感謝の気持ちを表す場にしたい」という層にアピールする結婚式でした。年齢によって結婚式に求…

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星野佳路

星野リゾート代表

 1960年、長野県生まれ。慶応大経済学部卒業後、米コーネル大ホテル経営大学院修士課程修了。91年に星野温泉(現・星野リゾート)代表。温泉旅館だった家業を「世界で通用するホテル会社」にするとの目標のもと、所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、大きく変貌、成長させた。