
企業のコロナ対策(2)
産業医である私は先日、従業員数約300人の精密機器販売会社の総務課長、三井さん(仮名、50歳女性)から相談を受け、発熱やせきがあるものの新型コロナウイルスの検査を受けていない従業員への対応の仕方について話しました(前回参照)。その後、基礎疾患がある従業員への対応の仕方についても聞かれました。
日ごろから対策を
三井さんは「新型コロナは、基礎疾患のある人が重篤化しやすいと聞きます。会社として注意すべきことは何でしょうか」といいます。
厚生労働省がまとめた資料(2020年12月時点)によると、新型コロナが重症化しやすいのは、高齢者と基礎疾患のある人です。基礎疾患には、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、一定基準以上の肥満が挙げられています。
また、悪性腫瘍や臓器移植の直後、免疫不全疾患などは、新型コロナに限らず他の感染症で重症化しやすい疾患です。会社としては、基礎疾患のある従業員の重症化を避けるためにも、日ごろから対策をしておく必要があります。
新型コロナについては、日本産業衛生学会などが発行する「職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド(第4版)」(20年12月15日作成)で、「重症化のリスク因子を持つ」人に就業配…
この記事は有料記事です。
残り1016文字(全文1567文字)
投稿にはログインが必要です。
注目コンテンツ