いま地球環境を考える

人気ドラマ「逃げ恥」の紙コップに込めたメッセージ

小西雅子・WWF(世界自然保護基金)ジャパン専門ディレクター
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インドネシア・スマトラ島の製紙用植林地=WWF提供
インドネシア・スマトラ島の製紙用植林地=WWF提供

 TBS系ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!」が正月に放映され、前作からの大ファンの私は楽しみに見ました。2016年に放映された時には「契約結婚」や「愛情の搾取」など、旬の社会テーマを描き、多くの名言を生んだドラマ、通称「逃げ恥」。新作の「逃げ恥」には、ついに「環境保全」も付け加わりました。

 今回の「逃げ恥」は、主人公の2人がついに本当の“結婚”を決めた連続ドラマのその後を描いています。前作を上回る勢いで、現代社会の問題が盛りだくさんです。

 「選択的夫婦別姓」や男性の「育休取得」をめぐる周囲の無理解、さらに緊急事態宣言下でのリモートワーク、飲食店の営業継続や補償など、コロナ禍の状況もリアルに描かれました。

 その中についに、というべきか、地球環境問題への取り組みもさりげなく取り上げられたのには驚きました。

FSC®マークとは

 主人公の夫が職場でセクハラ傾向の上司と対峙(たいじ)している時、手に持っていたのは、「FSC」のマークの入った紙製のコーヒーカップでした。

 FSCというのは、世界の森を守りながら、責任をもって調達した紙製品などの林産物につけられる認証マークで、国際的な非営利団体「Forest Stewardship Council®=森林管理協議会」が、責任ある森林管理のための原則や基準を定めています。

 私が所属する環境保護団体「WWF(世界自然保護基金)」は、FSCの設立当初よりその普及に力を入れています。消費者はこのFSCのマークが入った製品を使うことで世界の森林保全を応援できるのです。

 というのは、世界の森林は人間活動によって危機に瀕(ひん)してい…

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小西雅子

WWF(世界自然保護基金)ジャパン専門ディレクター

 神戸市生まれ。米ハーバード大修士課程修了、法政大博士(公共政策学)。中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005年に国際NGOのWWFジャパンへ。地球温暖化防止の国際交渉などで施策提言を行う。15年から昭和女子大特命教授を兼務する。東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会街づくり・持続可能性委員会委員、環境省中央環境審議会委員なども務めている。