
交渉立ち上げに合意してから8年を経て、2020年11月15日に「地域的な包括的経済連携(RCEP)」協定が署名された。東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と、日本、中国、韓国、豪州、ニュージーランド(NZ)の5カ国の計15カ国が参加するRCEPは、経済規模(GDP)、人口、貿易額のいずれでも世界の約3割を占める巨大な自由貿易圏を構築する経済連携協定(EPA)である(図1)。
日中韓で初の協定
日本にとってRCEPは、中韓両国との初めてのEPAでもある。RCEP参加15カ国間でEPAが締結されていなかったのは日中間、日韓間のみであり、アジア太平洋地域のサプライチェーンにおける大きな欠落(…
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