毎日家業×創業ラボ

現実に向き合う「思考の軸」としての経営理論

入山章栄・早稲田大大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授
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入山章栄・早大大学院教授=西夏生撮影
入山章栄・早大大学院教授=西夏生撮影

 入山章栄・早稲田大大学院教授の連載「未来を拓(ひら)く経営理論」は、世界の経営学の知見をビジネスパーソンが実践できる形で分かりやすく紹介していきます。経営理論は、経営の現場でどう役に立つのでしょうか。入山さんが皆さんにお勧めする「センスメーキング理論」について解説します。

未来を拓く経営理論

 ファミリービジネス(家業や同族企業)の経営者の方々に限りませんが、これからのビジネスパーソンには、経営理論を知ってほしいと思っています。決して偉そうなものではなく、複雑で答えの出ない現実に向き合うための「思考の軸」を与えてくれるものだからです。

 ビジネスの現場において、多くの場合、「正解」はありません。しかし、ビジネスリーダーは、正解がない中で物事を決めていかないといけない。そこが難しいところです。

 正解がない中で「決める」には、とにかく学び続ける必要があります。その時に正解を出してくれるわけではないけれど、物事を考える上での何らかの「よりどころ」があると良いのではないでしょうか。それは先輩の言葉だったり、京セラ創業者の稲森和夫さんの言葉だったりするわけですが、世界には経営学という分野があり、人間の行動原理に基づいて科学的な解析が行われています。その法則や理屈を知ってもらえれば、「考える軸」として使ってもらうことができると考えています。

 例えば、経営者仲間との会話で「先行きが読めない」といった話題が出ることがあるでしょう。しかし「業界が違う」「会社の状況が違う」といった話になって「お互い…

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入山章栄

早稲田大大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授

 1972年生まれ。慶応大学経済学部卒業。米ピッツバーグ大経営大学院から博士号を取得。2013年に早稲田大大学院准教授。19年から現職。世界の経営学の知見を企業経営者やビジネスパーソンが実践できる形でわかりやすく紹介している。主な著書に「世界標準の経営理論」(ダイヤモンド社)など。