身近なデータの読み方

コロナの家計調査が示す「収入減の夫・働き始めた妻」

篠原拓也・ニッセイ基礎研究所主席研究員
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 総務省が毎月公表する「家計調査」によると、2人以上の勤労者世帯は、2020年12月まで7カ月連続で、「世帯主の収入」が対前年同月比で減少した。対照的に、「配偶者の収入」は15カ月連続で増加した。背景には、新型コロナウイルス感染拡大があるだろうが、今回は世帯主と配偶者の収入がどのように推移したかを見てみよう。

世帯主の収入が減少

 家計調査は全国約9000世帯を対象に、家計の収入や支出、貯蓄や負債などを調査している。対象の中で、2人以上の世帯は約7500あり、このうち勤労者世帯は約53%で、他に個人営業などの世帯が約12%、無職世帯が約35%だ。

 2人以上の勤労者世帯は、毎月の勤め先収入を、世帯主、配偶者、他の世帯員にわけて集計している。2人以上の勤労者世帯は、世帯主が会社、官公庁、学校、工場、商店などに勤めている。夫婦2人が共働きでそれぞれ給与を得ている世帯や、ひとり親が会社勤めをしながら子を育てている世帯などが含まれる。

 2月5日に公表の調査結果によると、2020年は主に男性が占める世帯主の収入が前年に比べて減少した。コロナ禍の影響で、残業の削減や給与カットが起きたことが背景にある。

 一方、「配偶者の収入」は増加した。その理由と収入の増加幅を探ってみよう。

 配偶者の収入は、家計調査で「世帯…

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篠原拓也

ニッセイ基礎研究所主席研究員

1969年、東京都生まれ。早稲田大理工卒。92年、日本生命入社。2014年から現職。保険事業の経営やリスク管理の研究、保険商品の収益性やリスクの評価、社会保障制度の調査などを行う。公益社団法人日本アクチュアリー会正会員。著書に「できる人は統計思考で判断する」(三笠書房)がある。