経済プレミア・トピックス

最高益SBGの孫正義氏が目指す「金の卵の製造業」

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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ソフトバンクグループの決算会見で雄弁に語る孫正義会長兼社長=2021年2月8日、同社ホームページから
ソフトバンクグループの決算会見で雄弁に語る孫正義会長兼社長=2021年2月8日、同社ホームページから

 「ソフトバンクグループ(SBG)は金の卵を産む製造業だ」。SBGの孫正義会長兼社長の決算会見は、いつも何が飛び出すかわからない。2月8日の2020年4~12月期連結決算の会見は「金の卵」がキーワードだった。

 同日発表の連結決算は、最終(当期)利益が前年同期比6.4倍の3兆551億円と過去最高になった。世界的な株高で投資ファンドの運用が好調だった。これまで日本企業の最終利益はトヨタ自動車の2兆4939億円(18年3月期)が最高で、国内初の3兆円超えとなった。

 しかし、孫氏は「たかだか3兆円の利益で有頂天になるつもりはない」として、決算については多くを語らなかった。そのかわり「SBGとは何なのか」をとうとうと語り始めた。

ソフトバンクは製造業?

 決算発表のスクリーンには金の卵を産むガチョウの絵が登場し、「SBG=金の卵の製造業」の文字が浮かんだ。

 孫氏は「SBGは投資会社だが、実は製造業だと申し上げたい。何の製造業かというと、金の卵の製造業だ」と説明。「これまで情報革命と言ってきたが、これからSBGは金の卵を産むガチョウとしてAI(人工知能)革命に特化する。(投資先の新興企業を)より早く大きく伸ばしたい」と力を込めた。

 SBGは現在、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」などを通じて164社の新興企業に投資している。「金の卵」とは、これらの新興企業を上場するか売却するなどして、1社当たり100億円以上の利益をもたらすことを指すのだという。

 最近では米料理宅配大手「ドアダッシュ」、米配車大手「ウーバー・テクノロジーズ」や、英半導体大手「アーム」などが金の卵に当たるという。

「投資はリズム」

 将来が有望な…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部