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トヨタ“復活ののろし”最終利益がコロナ以前の水準に

今沢真・経済プレミア編集部
オンラインで記者会見するトヨタ自動車の近健太・執行役員
オンラインで記者会見するトヨタ自動車の近健太・執行役員

 トヨタ自動車は2月10日、2021年3月期連結決算の業績予想を上方修正し、最終(当期)利益が1兆9000億円になると発表した。コロナ禍で車の生産、販売が影響を受け、昨年5月時点では最終利益予想を「未定」としていたが、同8月に初めて7300億円の予想を示した。その後、同11月に1兆4200億円に上方修正しており、今回は再度の上方修正となった。

 過去3年間の最終利益の実績を振り返ると、18年3月期は約2兆5000億円、19年3月期は約1兆9000億円、20年3月期は約2兆1000億円だった。今期はコロナ禍の影響を強く受けながら、例年とほぼ肩を並べる利益予想となっており、「トヨタ復活」を強く印象づけた。

年間販売台数は前年比7%減を予測

 販売台数で見るとどうか。昨年4~9月のグループ総販売台数の実績は436万台で前年同期に比べ約2割減だった。一方、この日公表した年間の総販売台数の予想は973万台で、前年の1045万台に比べ約7%減の見込みだ。コロナ禍による販売減の影響を、半分以上取り戻すことになる。

 販売面では台数の回復とともに、車種構成が利益に貢献している。米国でSUV(スポーツタイプ…

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経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀・財研キャップ、副部長を経て論説委員(財政担当)。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。22年4月に再び編集長に。同9月から編集部総括。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。