職場のトラブルどう防ぐ?

「コロナ禍でも満席」人気レストランが休業する理由

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A郎さん(44)は、席数30席ほどでスタッフ8人のイタリアンレストランのオーナーシェフです。店は平常時、半年先まで予約が埋まるほど人気です。しかし、国が緊急事態宣言を再発令して時短営業になり、ディナータイムの開始時間を前倒ししました。そのため、遠方からのお客や数人のグループ客を中心に予約のキャンセルが相次ぎました。

 しかし、スタッフがSNSなどでこまめに空席情報をアップしたところ、それを見た地元客や、これまで予約が取れなかった新規客が足を運ぶようになりました。店はランチもディナーも、席がほとんど埋まるようになりました。こうした状況でA郎さんは、半月ほど休業することにしました。

宣言延長で休業

 A郎さんは、コロナ禍でもお客が来てくれることにありがたいと思う一方で、感染対策をしながら忙しく働くスタッフの様子が気になり始めました。新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向になっていましたが、食事の場は飛沫(ひまつ)感染などのリスクが否めないとされています。「レストランで働いていると地元に帰りにくく、今年の正月は帰省をあきらめた」といったスタッフの声も聞いていました。

 そこでA郎さんは1月末にスタッフリーダーと相談し、緊急事態宣言が延長になるのに合わせて、2月中旬から2月末まで休業すると決めました…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/