経済プレミア・トピックス

小泉元首相と中川秀直氏が3.11前に語る「脱原発」

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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「原発から卒業できない日本はだらしない」と語る中川秀直・元自民党幹事長=東京都内で2021年2月4日、原自連提供
「原発から卒業できない日本はだらしない」と語る中川秀直・元自民党幹事長=東京都内で2021年2月4日、原自連提供

 東京電力福島第1原発事故から3月で10年を迎えるのを前に、小泉純一郎元首相と中川秀直元自民党幹事長が東京都内で記者会見した。原発事故後、小泉氏が脱原発を主張しているのは広く知られているが、自民党の実力者だった中川氏はいま何を訴えているのだろうか。

 「七十数年前、日本が廃虚になったあの時の歴史もそうだが、どんな立場の人にも誤りはある。問題は現実を踏まえ、それを変える勇気と責任があるかどうかだ」

 中川氏はいきなり、そんな話を始めた。「私はかつて政府の原子力委員長、科学技術庁(現文部科学省)長官だった。原発推進派の責任者だったわけだが、あのとき一生懸命やったことは誤りだったと、10年前の事故で思い知った」と語った。

 1996年の第1次橋本内閣で、中川氏は当時の科技庁長官(原子力委員会委員長を兼務)に就任し、高速増殖原型炉「もんじゅ」など核燃料サイクルを推進した。中川氏は自身の「誤り」を具体的に語らなかったが、自民党政権として原発を推進したことを指しているのは間違いなかった。

 中川氏は「誤りの切り替えができないところに第二次世界大戦の悲劇もあったし、原発から卒業できない、日本のだらしなさがある」と、痛烈に日本の社会や政治を批判した。

小泉元首相の主張に中川氏も共感

 記者会見は「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)」が開いた。原自連は城南信用金庫相談役の吉原毅氏が会長、小泉氏と細川護熙元首相が顧問、中川氏らが副会長を務め、学者や実業家、NPO関係者らで組織する市民団体だ。

 小泉氏は「原発は安全でコストが安く、クリーンだと言われたが、全部ウソだとわかった。日本は太陽光、風力、水力…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部