熊野英生の「けいざい新発見」

株価3万円「適正かバブルか」を考えるバフェット指数

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
  • 文字
  • 印刷
日経平均株価の終値が3万円を超える=東京都中央区で2021年2月15日、梅村直承撮影
日経平均株価の終値が3万円を超える=東京都中央区で2021年2月15日、梅村直承撮影

 日経平均株価が2月15日、30年半ぶりに3万円を超えた。この株価は実体経済に見合った水準なのか、それとも実体経済から乖離(かいり)したバブル的なものなのか。見方は分かれている。

ワクチン接種は始まったが…

 まず、適正な水準という立場から説明を考えてみよう。日本でも2月17日からワクチン接種が始まった。今後、多くの人に接種が広がれば、感染リスクを軽減し、飲食店の利用や旅行なども少しずつ回復して、経済を正常化させることが期待される。3月7日に緊急事態宣言が予定通りに終了した後は、再びの緊急事態宣言に追い込まれる可能性も低下すると考えられる。

 ただ、経済の回復はゆっくりである可能性は高い。ワクチン接種は遅れることが想定され、一般の16~59歳の人が接種できる時期は、当初の想定の夏ごろから、秋以降に延びる可能性は十分ある。

 また、海外からの訪日外国人旅行者は当分戻らないこともあり、経済が完全にコロナ前に戻るのは相当先になるだろう。そう考えると、株価がコロナ発生前を大きく上回っていることは、少し過大評価だと考えた方がよい。

株価と実体経済はズレがある

 少し細かい分析をすると、実体経済の姿がそのまま株価に反映されるわけではない。例えば、東証1部の時価総額のうち、55%は製造業で構成されている(2021年1月末)。名目GDP(国内総生産)ベースでは、製造業の構成比は20%である。製造業の株価は業績の変化をより強く反映する。

 逆に、コロナ禍で打撃が大きいサービス業は、時価総額の構成比では6%と小さいが、名目GDPベースでは構成比は31%と大きい。デジタル化の恩恵が大きい情報通信業と電機を…

この記事は有料記事です。

残り941文字(全文1637文字)

熊野英生

第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。