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64歳男性「年金を繰り下げ」妻の加給年金はどうなる?

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
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 定年退職後、無職のA郎さん(64)は特別支給の老齢厚生年金を受給しながら、パートで妻のB江さん(59)と2人で暮らしています。65歳になると本来の老齢厚生年金を受け取ることになりますが、65歳から再び働く予定です。A郎さんは「年金額を増やすために繰り下げ受給をしたいと思っていますが、65歳から受け取れる加給年金はどうなりますか」と私のところに相談に来ました。

 加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上ある人が、厚生年金の支給開始年齢に達した時点で、生計を維持している65歳未満の配偶者などがいる場合、一定額が加算される制度です。私は、繰り下げ受給と加給年金、後述する振り替え加算の関係についてよく相談を受けます。今回、A郎さんの事例をもとに説明します。

年金を繰り下げるには

 公的年金の支給開始年齢は原則65歳です。65歳から受給する場合は、日本年金機構から封書で届く「年金請求書」に必要事項を記入して返送、あるいは最寄りの年金事務所に提出します。老齢基礎年金と厚生年金の繰り下げを希望する場合は、請求書を提出する必要はありません。

 繰り下げた場合、1942年4月2日以後に生まれた人は、原則66歳に達した日(年金受給の権利が発生した日から1年を経過した日)以降に、繰り下げ受給の申請ができます。こ…

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岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。