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コロナ禍で増えた「家計の貯蓄」生活防衛のその先は?

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 コロナ禍のこの1年で家計は貯蓄を積み増した。賃金は減ったが、外出自粛などで消費が手控えられ、そのぶんが将来への備えとして貯蓄に回ったかたちだ。生活防衛意識が高まっており、貯蓄も「巣ごもり」モードが色濃い。

消費手控え株価も好調

 日銀に事務局を置く金融広報中央委員会は1月末、2020年の「家計の金融行動に関する世論調査」を公表した。1953年から行っている調査で、家計の金融資産の状況や変化をみるのに役立つ。

 今回は20年8~9月、全国約4500世帯(有効回答数、2人以上約2000世帯、単身2500世帯)に実施した。

 2人以上世帯が持つ金融資産は平均1436万円、中央値で650万円だった。この「金融資産」とは将来に備え蓄えるもので、事業資金や日常生活のための現預金は除いている。

 前年と比べると、平均で297万円増(前年1139万円)、中央値で231万円増(同419万円)と大きく伸びた。金融資産を持たない「貯蓄ゼロ世帯」は80年代後半から上昇傾向にあるが、20年は16%で前年24%から大きく低下した。

 一方、単身世帯の金融資産は平均653万円、中央値50万円で、前年(平均値645万円、中央値45万円)からやや増えた。貯蓄ゼロは36%で前年38%より下がった。

 金融資産が増えた世帯に理由を聞くと、2人以上・単身ともに「収入から貯蓄する割合を引き上げた」「株式や債券の評価額が増えた」が前年より割合を伸ばしている。

 今回の調査をみるには注意が必要だ。2人以上世帯は前年まで訪問調査だったが、今回は感染防止から郵送調査で行い、回収率は26%と前年の40%よりかなり低いためだ。このため、資産…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。