海外特派員リポート

「アップルVSフェイスブック」個人情報取得で論争激化

中井正裕・北米総局特派員(ワシントン)
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アイフォーンのアプリ利用者の個人情報取得をどこまで認めるか議論になっている=東京都千代田区で2019年9月20日、梅村直承撮影
アイフォーンのアプリ利用者の個人情報取得をどこまで認めるか議論になっている=東京都千代田区で2019年9月20日、梅村直承撮影

 スマートフォンのアプリ利用者の個人情報収集をどこまで認めるか――。アプリによる個人情報収集を制限しようとする米アップルと、個人情報をオンライン広告配信に利用している米フェイスブック(FB)の対立が深まっている。

 プライバシー保護か、オンラインの利便性かを巡る両社の主張はかけ離れており、両社トップがお互いのビジネスモデルを批判し合う事態に発展している。

アップル「事前同意」求める

 「プライバシーは基本的人権だと考えており、アプリがどのような個人情報を取得し、使用するのかをアプリ利用者が決定できるようにする」

 米アップルは1月27日、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」やタブレット型端末「アイパッド」の基本ソフト(OS)更新に合わせ、スマホのアプリによる利用者の個人情報取得に今春から制限を設けると発表した。

 具体的には、OSに「アプリ追跡透明性(ATT)」と呼ばれる機能を追加。FBなどのアプリを利用する際、「このアプリに対し、別のアプリやウェブサイト上であなたの行動を追跡することを許可しますか」との通知を表示し、利用者にアプリの情報取得について事前同意を求めるものだ。

 利用者の同意がなければ、アプリ配信企業は、自社のアプリ以外で行われた利用者のインターネット閲覧履歴や連絡先などの情報が取得できなくなる。

FB「アプリ潰し」と猛反発

 これに対し、FBが猛反発している。FBはネット交流サービス(SNS)を無料で提供する一方、利用者の個人情報を収集し、居住地や年齢、興味などに応じ広告の配信対象を絞り込む「ターゲティング広告」で売り上げの97%を得ている。

 ターゲティング広告を…

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中井正裕

北米総局特派員(ワシントン)

1975年京都府生まれ。立命館大学法学部卒。2000年毎日新聞入社。岐阜支局、中部報道センターを経て、09年から経済部で電力改革、貿易交渉、日銀などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。18年10月から現職。