ニッポン金融ウラの裏

「コロナどう克服」中小企業支援で銀行がノウハウ共有

浪川攻・金融ジャーナリスト
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閉店を知らせる飲食店の張り紙=2020年4月2日、武市公孝撮影
閉店を知らせる飲食店の張り紙=2020年4月2日、武市公孝撮影

 新型コロナ問題でダメージを受けた中小・零細企業に対する金融機関の対応は、資金繰り支援から本業の経営改善への支援にステージが移りつつある。ある意味で、これからが金融機関の腕の見せどころであり、「頼りになる金融機関」としての正念場と言える。

 金融庁は昨年12月、事業者支援のノウハウを共有する金融機関専用のサイトを設置し、参加者を募集した。金融機関の職員だけが利用できるようにしたウェブ上の情報共有インフラだ。現在、今年3月までの試験的な運営を行っている。参加するのは銀行、信用金庫、信用保証協会で、現在50組織、100人が参加している。

「ゼロゼロ融資」いずれ返済へ

 コロナ禍で、飲食、観光業などが売り上げ減少の大打撃を受けた。これを受け、公的金融、民間金融が総動員され、中小・零細事業者向けに無担保・実質無利子の「ゼロゼロ融資」が実行された。その規模は40兆円に上っている。当初のスケジュールでは、免除された元本の返済は来年にも始まる。

 新型コロナ問題が解決に向かう局面では、難局に耐えた事業者が本業を強化して通常の経営状態に戻れるかどうかが大きな焦点だ。経営環境が大きく変容することも想定され、変化に適応した事業モデルの構築も求められる。そのためにも、金融負債に押しつぶされない経営体質の確立が欠かせない。

 一方、支援する立場の金融機関側では、金融機関や職員の間で支援ノウハウの蓄積にばらつきがある。もちろん、ノウハウの蓄積やスキルの完成度は、金融機関が競い合うもので、それこそ競争の原点と言っていい。

 その意味では、金融機関間や他の金融機関の職員などの間でノウハウを共有化する動きは異例だ。だ…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。