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過去にQアノン信奉「グリーン米下院議員」とは何者か

古本陽荘・毎日新聞北米総局長
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グリーン米下院議員(Bloomberg)
グリーン米下院議員(Bloomberg)

 米連邦議会下院の任期は2年と短い。任期6年の上院は、長期的な視点で法案審議を進めることを期待されるが、下院は民意をしなやかに吸い上げる役割を担う。2018年中間選挙の下院選では、アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員(民主党)ら左派系の女性議員が複数当選し、話題となった。

 昨年11月の20年初当選組で、最も注目を浴びているのは極右系の陰謀論「Qアノン」を信奉していたマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(共和党)だ。

グリーン氏が過去に支持した「陰謀論」

 グリーン氏は、熱狂的なトランプ前大統領の支持者で、トランプ氏も選挙中、グリーン氏を「共和党の将来のスター」とたたえた。だが、新議会が招集されると、グリーン氏の過去の言動に批判が高まり、下院は2月4日、グリーン氏を所属する教育労働委員会と予算委員会から除籍する決議を賛成多数で可決、グリーン氏は委員会に所属する権利を失った。

 Qアノンは、小児性愛者の秘密結社などが存在し、トランプ氏がそれと戦っているなどという根拠のない陰謀論をネット上で拡散してきた。グリーン氏は、委員会所属資格をはく奪される際、下院本会議で演説し、「Qアノンの情報に偽情報があることに気づき、信じるのをやめた」と明言し、18年には信奉者ではなくなったと釈明した。

 だが、19年にもペロシ下院議長を解任するには「銃弾を頭に撃ち込んだ方が早い」とのフェイスブックの書き込みに「いいね」で賛同。他にも過激な言動が続いていることが確認されている。

 グリーン氏が賛意を示した陰謀論は枚挙にいとまがない。01年の米同時多発テロの際、国防総省に航空機が突っ込んだ事件は「事実で…

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古本陽荘

毎日新聞北米総局長

1969年生まれ。上智大文学部英文科卒、米カンザス大大学院政治学修士課程修了。97年毎日新聞入社。横浜支局、政治部、外信部を経て2018年12月から北米総局長(ワシントン)。