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京阪特急で「必ず座れる」プレミアムカーを増やす狙い

土屋武之・鉄道ライター
プレミアムカーを連結した京阪3000系
プレミアムカーを連結した京阪3000系

 京阪電鉄が1月31日から、追加料金を必要とする座席指定車両「プレミアムカー」の運用本数を大幅に拡大している。JRのグリーン車に相当する上級クラスの車両だが、日中は10分間隔で運転されるどの特急でも利用できるようになった。

 2017年8月に導入されたプレミアムカーはこれまで、京阪の特急列車に使用されている8000系や3000系のうち、8000系にだけ連結されていた。8000系は全部で10編成あるが、3000系も6編成あり、3本に1本以上は「プレミアムカーなしの特急」に当たる状態だった。

 プレミアムカーを利用したい客がいるのに、その時間に来た特急列車がたまたま3000系だったら、京阪は収益を取り逃がすことになる。淀屋橋(大阪市中央区)―出町柳(京都市左京区)の全区間を乗車しても50分あまり。次の8000系の特急を待てば、日中で最大20分の待ち時間が生じるため、多くはそのまま3000系の特急に…

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鉄道ライター

1965年、大阪府豊中市生まれ。大阪大学で演劇学を専攻し、劇作家・評論家の山崎正和氏に師事。出版社勤務を経て97年に独立し、ライターに。2004年頃から鉄道を専門とし、雑誌「鉄道ジャーナル」のメイン記事などを担当した。東日本大震災で被災した鉄道路線の取材を精力的に行うほか、現在もさまざまな媒体に寄稿している。主な著書に「ここがすごい!東京メトロ」(交通新聞社)、「きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)など。