イマドキ若者観察

米国発の人狼ゲーム「Among Us」コロナ下で学生に人気

藤田結子・明治大商学部教授
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多くの若者が人狼ゲームに没入しているという
多くの若者が人狼ゲームに没入しているという

 昨年9月から世界中の若者にあるオンラインゲームが大流行しています。その名は「Among Us(アマングアス)」。米国で人気となり、日本でも流行の兆しがありますが、このゲームの大流行の理由は、コロナ禍で若者たちが直面している厳しい現実と関係があるようです。

無名アプリがコロナ禍で脚光

 「夜10時くらいから始めて、次の日が休みだったら夜中の2時くらいまでプレーしちゃう」

 ある大学生の声です。深夜に多くの若者がつながってディスプレイに没入しています。日本では12月に日本語対応のニンテンドースイッチ版がリリースされました。

 このゲームは2018年に米国でリリースされましたが、これまで無名でした。なぜ昨年9月に爆発的にヒットしたのでしょうか。直接のきっかけは、有名なゲーム系ストリーマー(ゲーム実況のライブ配信者)やユーチューバーが配信したことでした。米国で若者に人気のオカシオ・コルテス下院議員が実況配信し、コロナ禍の米国民を支援する多額の寄付を集めたことでも話題となりました。

 Among Usは宇宙船を舞台とした「人狼(じんろう)ゲーム」です。人狼とは人間に化けたオオカミ、すなわち裏切り者のことです。人狼ゲームとは、ある集団の中に裏切り者がいるという設定で、会話などを通して裏切り者が誰かを推理するゲームのことです。

なぜ若者は「人狼ゲーム」にハマるのか

 人狼系のゲームは、休み時間や待ち時間にプレーする「鉄板ゲーム」だそうです。このタイプのゲームは誰が人狼=裏切り者かを当てるのですが、そのとき仲間を疑ったりだましたりするのが醍醐味(だいごみ)です。次の話が大学生たちから聞かれました。

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藤田結子

明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。