職場のトラブルどう防ぐ?

女性スタッフ8人「美容皮膚科」が直面した子育て問題

井寄奈美・特定社会保険労務士
  • 文字
  • 印刷
 
 

 A子さん(45)は開業6年目の美容皮膚科クリニックの院長です。スタッフは看護師と受付担当を含めて8人で、20~30代の女性です。看護師は一定のスキルが必要で、A子さんはスキルを持つ人が長く勤務してもらいたいと考えています。

 一方、ここ数年、結婚や出産をするスタッフがおり、出産後に復帰する際はスタッフの希望に沿って勤務時間などを調整して対応しています。ただ、勤務時間などに制限のあるスタッフが増えたことで、他のスタッフに業務の負担が偏ることになっています。A子さんは、どうすれば不公平感をなくせるか悩んでいます。

復帰した従業員の希望

 クリニックは完全予約制で、休診日は隔週の日曜日と祝日です。診療時間は午前11時からで、日曜日は午後5時まで受け付け、他の日は午後7時までとしています。スタッフは月8~9日が休日で、シフトを組み交代で出勤しています。

 こうした中、3年前に看護師のB美さんが妊娠・出産しました。クリニックで初めてでした。B美さんから妊娠の報告を受けたとき、A子さんはちょうど新しいスタッフの採用を計画していたため、計画より1人多く採用しました。B美さんは産前休業前に業務を引き継ぎ、スムーズに休むことができました。

 B美さんは出産から1年ほどで復帰しました。その際、勤務日は平日を中心に土曜…

この記事は有料記事です。

残り1856文字(全文2409文字)

井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/