
新型コロナウイルス対策に伴い政府の財政支出が異例の規模で膨らみ続ける一方で、財源に関する議論が低調だ。菅義偉首相は「感染の収束と経済の再生」を最優先にしているが、政府も財務省も、その先に待ち構える増税議論にはポーカーフェースを決め込んでいる。「コロナ増税」は果たしてあるのか。
大盤振る舞いのツケは
政府はコロナ禍への対応で、2020年度に3回にわたり補正予算を編成した。医療現場への補助金などのほか、企業向けの支援金や、全国民を対象にした一律10万円給付などのさまざまな対策を実施。財源の大半は国債の追加発行、つまり借金で賄い、20年度の新規国債発行額は当初予算分を含めて初めて100兆円の大台を超えた。これだけ借金を増やして大丈夫なのか。
2月16日の衆院財務金融委員会で気になるやり取りがあった。「コロナ収束後に消費税を15%に上げるのでは、などと不安に思う人もいるが、どう考えているのか」という野党委員の質問に、麻生太郎財務相は…
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和田憲二
東京経済部記者
1981年広島市出身。2004年毎日新聞社入社。さいたま支局を経て09年から東京本社経済部で自動車や電機、エネルギー、保険、証券、流通業界などのほか、経済産業省、金融庁、財務省を担当。13年春から2年間は中部本社でトヨタ自動車や中部電力、三菱航空機などを取材した。21年4月から製造・流通業界全般を主に担当している。
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