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みずほ銀トラブル「出遅れたキャッシュレス化」の象徴

浪川攻・金融ジャーナリスト
システム不具合について記者会見し、記者の質問に答えるみずほ銀行の藤原弘治頭取(手前)=東京都千代田区で2021年3月1日、吉田航太撮影
システム不具合について記者会見し、記者の質問に答えるみずほ銀行の藤原弘治頭取(手前)=東京都千代田区で2021年3月1日、吉田航太撮影

 みずほ銀行は2月28日、全国に設置している現金自動受払機(ATM)の80%に相当する4318台が一時停止するシステムトラブルを発生させた。その後も定期預金の入金などでトラブルが続いている。同銀行による大規模なシステムトラブルは、旧システムの統合初日である2002年4月、東日本大震災のさなかの2011年3月に続いて3回目だ。

 この一件は、すでに多くのメディアが発生原因やその後の対応の問題点を報じている。システムはトラブルの可能性をゼロにすることはできない。銀行は常にトラブル発生を前提としたコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)を立て、その的確な実行が求められる。もちろん、その意味でもみずほグループの責任は重い。

 今回のトラブルでは、利用者がATMに挿入したキャッシュカードや預金通帳が取り込まれて戻らなくなる事態が多発した。事態に直面した利用者は、銀行員などが駆けつけるまで何時間も待たされた。困惑と怒りが想像できる。

カードの「IC化」は進んだが

 ここで、少し見方を変えて考えてみたい。「なぜ、預金をおろすためにキャッシュカードをATMに挿入しなければならないのか」という点である。…

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金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。