メディア万華鏡

森氏辞任後も「わきまえる」女性が後を絶たない理由

山田道子・元サンデー毎日編集長
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参院予算委員会で質問に答える丸川珠代男女共同参画担当相=国会内で2021年3月3日、竹内幹撮影
参院予算委員会で質問に答える丸川珠代男女共同参画担当相=国会内で2021年3月3日、竹内幹撮影

 「一議員としての意見表明で、大臣として反対したわけではない。議論を誘導したくない」

 3月3日の参院予算委員会で、丸川珠代男女共同参画担当相は選択的夫婦別姓制度の導入について、社民党の福島瑞穂党首の質問にこう答弁した。丸川氏は閣僚就任前、導入に反対する文書に名を連ねていた。

 福島氏は丸川氏が選択的夫婦別姓制度に反対する理由を計10回にわたり問いただした。しかし、丸川氏は「大臣の任にある」などと賛否を明確にしなかった。

 森喜朗氏が女性蔑視発言の責任を取って東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長を辞任した後、日本の五輪にかかわる3トップは女性が占めるようになった。五輪担当相に登用され、男女共同参画担当相と兼務になった丸川氏はその一人だ。

「飲みニケーション」大事だが

 同時期注目されたのが、菅義偉首相の長男正剛氏らから接待を受けた問題で内閣広報官を辞任した山田真貴子氏。山田氏は女性初の首相秘書官を経て内閣広報官にのぼりつめた。

 「飲み会も絶対断らない女としてやってきた」という山田氏の若者向けの動画メッセージは、繰り返しメディアで流れた。1986年の男女雇用機会均等法施行前に入省した山田氏は、男性中心の組織の中で人脈を作ったり、情報を取ったりするため「飲みニケーション」に積極的に参加したのだろう。

 同年代の筆者には、その気持ちがよく分かる。高額接待は男女関係なく不適切だが、「男性並み」を追求してきた末という面があるのではないか。

 丸川氏と山田氏。「女性活躍」のシンボルのような2人を見て、登用されるのは“わきまえる”女性だと思った。

 丸川氏は、選択的夫婦別姓に反対の自民党の本音…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。