スルガ銀行 不正の構図

スルガ「アパマン不正」借金カットわずか“4~13%”

今沢真・経済プレミア編集部
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スルガ銀行の不正融資に抗議する横断幕=東京都千代田区で2020年12月23日、今沢真撮影
スルガ銀行の不正融資に抗議する横断幕=東京都千代田区で2020年12月23日、今沢真撮影

元本一部カットの通知(1)

 スルガ銀行の不動産向け不正融資問題で、1棟物(いっとうもの)の中古アパート、マンションを多額の融資を受けて購入し、返済が困難になっている人の一部に対し、同行が4~13%程度の元本カットを通知したことが明らかになった。同行による元本カットの割合が具体的に判明したのは初めて。

 不正融資は、運営会社が破綻したシェアハウスのほかに、中古アパート、マンションといった「1棟物」と呼ばれる物件でも行われていた。シェアハウスに関しては、購入者が物件を手放すことを条件に、スルガ銀行が借金返済を事実上免除することで合意した。

 一方、中古アパート、マンションの購入者に対してスルガ銀行は、シェアハウスと同様の「返済免除」を拒否してきた。その代わり、金利引き下げを検討し、それでも収支が赤字になる物件については、「不正行為に関する当社の関与度合いなどの諸事情を考慮」したうえで、元本一部カットを検討するとしてきた。

元本カット対象者はごく限定的

 同行は、元本カットを申し入れてきた購入者が約3000人いると説明してきた。申し入れのあった物件について、元本カットを行うかどうか行内で検討し、2月末までに全員に検討結果を通知したという。ただし、通知内容は公表していない。

 一方、中古アパート、マンションの購入者100人弱の代理人としてスルガ銀行と交渉してきた東京都内の弁護士によると、元本カットの通知を受けたのは5人で5物件だったという。残る約90人に対しては元本カットを一切認めない回答だった。

 5物件の元本は4000万~1億5000万円台で、元本カットの割合は4%台、6%台、11%台…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。