毎日家業×創業ラボ

総支配人は立候補制!星野代表の「フラットな組織」

星野佳路・星野リゾート代表
  • 文字
  • 印刷
星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で、北山夏帆撮影
星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で、北山夏帆撮影

 星野リゾートの各施設の総支配人は毎年、立候補者の中から選ばれています。施設運営を取り仕切る重要ポジションを立候補制にしたのは、ブラックボックスになりがちな人事をオープンにし、フラットな組織文化を徹底させるのが狙いです。社内で「よしはるさん」と呼ばれている星野さんが語ります。

星野佳路の家業のメソッド

 各施設の総支配人は基本的に、立候補制で選んでいます。毎年、「やりたい」という社員に立候補してもらい、その中から会社が選ぶ。制度を導入して、既に20年近くがたちました。

 まず、社員に会社を辞めてほしくないという思いがあります。どの会社でも、社員たちは会社から実力を認められ、抜てきしてもらうのを待っているのではないでしょうか。しかし、それでは「自分はできるのにやらせてもらえない」と感じる社員にとっては不十分であり、その結果、できる人が会社を辞めてしまうということが起こってしまいます。

 究極の会社の姿とは、自分のキャリアを自分で設定できること。出世するのも自分の自由という姿です。これこそが会社のあり方なのではないかと本気で考えたことがあります。しかし、総支配人というポジションは、各施設に一つしかありませんから、完全に自由にすることは難しい。

 そこで出てきた案が、立候補制です。これはつまり、それまで会社が100%持っていた人事権の一部を、社員に選択させる方法です。

人事という「ブラックボックス」を開く

 これにより社員は「総支配人をやりたい」と立候補する権利を持つ。一方、会社は立候補した…

この記事は有料記事です。

残り1273文字(全文1919文字)

星野佳路

星野リゾート代表

 1960年、長野県生まれ。慶応大経済学部卒業後、米コーネル大ホテル経営大学院修士課程修了。91年に星野温泉(現・星野リゾート)代表。温泉旅館だった家業を「世界で通用するホテル会社」にするとの目標のもと、所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、大きく変貌、成長させた。