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大混乱みずほ銀行「頭取交代人事」なぜ凍結しない?

浪川攻・金融ジャーナリスト
システム不具合について記者会見し、記者の質問に答えるみずほ銀行の藤原弘治頭取=東京都千代田区で2021年3月1日、吉田航太撮影
システム不具合について記者会見し、記者の質問に答えるみずほ銀行の藤原弘治頭取=東京都千代田区で2021年3月1日、吉田航太撮影

 みずほ銀行のシステム障害が収まらない。3月12日には法人向けの外貨送金でもトラブルが発生した。障害は現金自動受払機(ATM)で始まり、これで4回目になる。原因究明はこれからで、視界不良の状態に陥っている。そのなかで理解不能なのがトップ人事を巡る対応である。

 みずほグループは2月19日に、みずほ銀行の頭取交代人事を発表している。現職の藤原弘治氏が4月1日付で会長になり、代わって加藤勝彦常務執行役員が昇格する内容である。ところが、発表から9日後の2月28日、みずほ銀行で最初のシステム障害が起きた。全国のATMの80%に相当する4318台が一時停止し、キャッシュカードや預金通帳が一部戻らなくなった。

 その後、断続的にシステムトラブルが起き、原因がよくわからない状態だ。「調査はこれから本格化させる」(みずほ関係者)と言う。グループ内に戸惑い、動揺が増していることは容易に想像できる。

膨大な定期預金データ移行

 第1回目のトラブル発生につながったのは定期預金データの移行作業だった。1年以上記帳がない既存の定期預金口座を、紙の通帳を原則として発行しないデジタル口座に一括で切り替える作業である。これは「デジタル化」の一つの重要な局面だった。

 1月末時点で1年以上記帳がない口座を、初めてデジタル口座に移行する作業を2月27、28日に行った。実はこの移行作業は膨大な件数で、この先、4回にわたって継続的に行う計画だった。移行作業を分散して行うのは、作業の負荷が重いからだ。

 ところが、みずほグループはその作業に着手するわずか9日前に、トップ交代を決めた。デジタル化に向けた節目の時期に、頭取人事を行…

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金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。