身近なデータの読み方

税金などの国民負担率「過去最高」諸外国と比べると…

篠原拓也・ニッセイ基礎研究所主席研究員
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 財務省は2月26日、2020年度の「国民負担率」を公表した。国民負担率は、個人や企業の所得に占める税金や社会保険料の割合で、公的負担の重さを国際比較する指標に利用する。毎年この時期に、前年度の実績、今年度の実績見込み、翌年度の見通しの三つの数字を示している。今回は、国民負担率について考えてみよう。

19年度は過去最高

 国民負担率は、国税や地方税の租税負担と、国民年金や健康保険の保険料などの社会保障負担の合計を、所得で割り算して算出する。所得には、国民所得(NI)か国内総生産(GDP)を用いる。メディアが主に報じるのは、国民所得を用いた数字だ。

 19年度の実績は、44.4%で過去最高だった。10年前の09年度と比べると、7.2ポイント上昇した。20年度の実績見込みは、さらに高い46.1%となっている。また21年度の見通しは、44.3%だ。

 近年の国民負担率の上昇には、14年4月と19年10月の2度の消費税率引き上げや、高齢化に伴う医療や介護などの社会保障負担の増大という背景があるだろう。

日本は諸外国と比べると低水準だが…

 国民所得をベースとした国民負担率の国際比較をみてみよう。

 直近の比較可能な18年 (日本は18年度) の数字では、日本44.3%、米国31.8%、英国47.8%、ドイツ…

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篠原拓也

ニッセイ基礎研究所主席研究員

1969年、東京都生まれ。早稲田大理工卒。92年、日本生命入社。2014年から現職。保険事業の経営やリスク管理の研究、保険商品の収益性やリスクの評価、社会保障制度の調査などを行う。公益社団法人日本アクチュアリー会正会員。著書に「できる人は統計思考で判断する」(三笠書房)がある。