藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

シカゴ「ミシガン湖畔の公園」貨物ヤード跡地の再生

藻谷浩介・地域エコノミスト
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ミシガン湖畔から見たシカゴの都心(写真は筆者撮影)
ミシガン湖畔から見たシカゴの都心(写真は筆者撮影)

米ダウンタウン編(2)

 シカゴは、広大な米国の中央に位置する、航空と鉄道物流のハブだ。都市圏人口は1000万人と、ニューヨーク、ロサンゼルスに次いで全米3位である。しかし、グランドキャニオンなどと並んで、最近は昔ほど日本人の口には上らなくなった印象だ。黒人初のオバマ元大統領を生んだ町の、都心のいまはどんな感じなのか。

シアトル乗り換えでシカゴへ

 2019年4月。ボストンとシリコンバレーに用事のあった筆者は、シカゴとカナダのトロントの定点観測、ニューファウンドランド(カナダ)訪問(「バイキング伝承に残るカナダ『ニューファンドランド』」<2020年2月24日>参照)を合わせ、7泊8日の旅に出た。

 初日は早朝からまず広島に行って大学で講義し、広島空港から成田に飛んでシアトル行きで出国。最終日はロサンゼルス空港から羽田に帰国し、自宅で着替えて九州に向かった。当時は何と元気だったことだろう。新型コロナの前の世界は、それほどまでに自由でもあった。

 日本からシカゴには直行便も多く飛んでいるが、シカゴ乗り換えで中西部の工場地帯と日本を往復するビジネスマンが多く、マイルを使ったビジネスクラスへのアップグレードが難しい。そこでシアトル便でビジネスクラスを確保して9時間半乗り、そこで乗り換えてシカゴまでさらに4時間という行程を取った。4月の中西部時間は日本より14時間遅いので、朝5時起きで広島に向かってから、深夜0時にシカゴのホテルで就寝するまで同じ日付(実際には33時間が経過)である。

 シカゴ空港にたどり着いたのは夜8時前。巨大なターミナルはデザインセンスの良いショッピングセンターという感じ…

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。