職場のトラブルどう防ぐ?

40歳主任が「期待した中途採用者」に抱いた複雑な心境

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A代さん(40)は、従業員数約100人の中小製造業で総務課の主任を務めています。中途採用で数カ月前から働き始めたB恵さん(28)の仕事ぶりに、もどかしさを感じていました。しかし、あることに気づき、B恵さんと前向きに業務にあたるようになりました。

転職者に大きな期待

 A代さんの会社は昨年末、総務課のメンバーが家庭の事情で急に退職し、その後任としてB恵さんを採用しました。B恵さんは、これまで従業員数1000人超の衣料品メーカーの総務部で、契約社員として1年契約を更新しながら数年働いていましたが、昨年はコロナ禍による経営悪化で契約が更新されませんでした。

 A代さんは、採用面接の際、B恵さんの受け答えがしっかりしており、仕事をかなり任せられると大きな期待を寄せていました。

 会社は昨年から総務課を中心に社内の業務のシステム化を進めています。給与明細を電子化し、従業員の家族情報や住所変更などは本人がシステムに直接入力するようになりました。

 ただ小さな会社のため、システムの専任者はいません。A代さんは退職したメンバーと試行錯誤しながらシステム化に取り組んできましたが、やるべきことがまだ山積みです。B恵さんは前の会社で業務システムを使って仕事をしており、A代さんはB恵さんが入社すれば、やるべきことをどんど…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/