高齢化時代の相続税対策

コロナ禍の外出自粛「シニアの相続対策」何が変わった

広田龍介・税理士
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 新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから1年以上が過ぎた。このコロナ禍のなか、高齢者の相続対策が静かに変わりつつある。自粛生活で自ら死後についてじっくり考える時間が増えたことに加え、団塊の世代が相続対策を検討する年齢に差し掛かり、財産についての考え方が以前とは異なってきたことがありそうだ。

自宅にこもるシニア

 ちょうど1年前、テレビで大活躍していたタレントの志村けんさんや女優の岡江久美子さんがコロナ感染症で相次いで亡くなったことは、多くの人に強い衝撃を与えた。感染が身近なものとして感じられるようになり「次は自分かもしれない」という恐怖心が生まれた。

 特に、高齢者は感染すれば重症化するリスクが高い。シニアにとって旅行や外食は大きな楽しみだが、不要不急の外出を自粛し、自宅にこもる生活を強いられるようになった。

 コロナ禍以前は「この年になると怖いものなど何もないよ」と豪語していたような人も、感染を避けるため細心の注意を払い、じっと耐えている状況だ。

相続を考え始めた団塊世代

 そうしたなか、相続対策をじっくり考えているシニアを多く見受けるようになった。自宅にこもる時間が長くなり、自分に万一のことがあった場合どうするか、真剣に向き合うようになったためだろう。相続で財産を子供たちにどう分けるべきか、遺言書を検討する人が増えている。

 さらに、相続対策についての考え方も以前とはかなり異なってきた。

 かつて相続対策といえば、先代、先々代から守ってきた財産を、次世代以降に残すという思いが強かった。だが、そうした考え方や気持ちは薄れてきている。

 これは高齢者の「世代交代」が大きいだろう。戦後…

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広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。