海外特派員リポート

「時速600キロ」中国のリニア鉄道は日本のライバルか

小倉祥徳・毎日新聞中国総局(北京)特派員
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中国・上海の高速リニア鉄道=2018年5月8日、工藤哲撮影
中国・上海の高速リニア鉄道=2018年5月8日、工藤哲撮影

 中国で北京や上海、広東省広州市などを結ぶ高速リニア鉄道の整備計画が浮上している。中国は短距離ながら世界初の高速リニアの商業運行を上海で実現しているが、本格整備にはさらなる技術開発などが不可欠だ。ハードルは低くないが、2027年に東京-名古屋間の開業を目指す日本のリニア中央新幹線に対抗する存在になるのだろうか。

 広東省が2月上旬に公表した35年までの土地利用計画案によると、高速リニアの整備を検討するのは、北京と広州、香港、マカオを結ぶ路線と、上海と同省深圳、広州を結ぶ路線だ。

 建設費や具体的な走行ルート、開業時期など詳細は不明だが、時速600キロで走行すると単純計算で深圳から1500キロ離れた上海までの所要時間は2時間半となる。2200キロ離れた北京までは約3時間半と現在の約半分になる。

 中国ではこのほか、上海と浙江省杭州市間、重慶と四川省成都市間などの高速リニア構想などが明らかになっている。

上海では時速430キロ実用化

 上海では02年末、浦東国際空港と市内の約30キロを結ぶ最高時速430キロのリニアが開通している。さらに時速100キロ前後の「中低速リニア」は、16年に湖南省長沙市、17年に北京でそれぞれ運行し、湖南省や広東省の別の地域でも建設中だ。

 北京市郊外のリニアに筆者は今年2月下旬、実際に乗車してみた。走行音は静かで加減速もスムーズだったが、最高時速は70キロ程度で、地面から「浮遊」している実感はあまりなかった。

 市中心部の地下鉄から改札なしで乗り継ぐことが可能で、子供を含めた乗客も珍しがる様子もなく、身近な交通手段として定着している印象を受けた。

日本の新幹線に…

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小倉祥徳

毎日新聞中国総局(北京)特派員

東京都生まれ。2001年入社。秋田支局を経て06年から東京経済部で財務省、内閣府、経済産業省、国土交通省、日銀、証券、エネルギー業界などを担当。17~19年には中部本社でトヨタ自動車などを取材した。東京経済部、外信部を経て20年10月から経済担当の中国総局(北京)特派員。