イマドキ若者観察

「コロナに振り回された」大学4年生は卒業で何思う?

藤田結子・明治大商学部教授
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今年の大学の卒業式では卒業生らが楽しく語り合う場面は見られるのか
今年の大学の卒業式では卒業生らが楽しく語り合う場面は見られるのか

 もうすぐ大学4年生が卒業を迎えます。彼らは新型コロナウイルス禍で就職活動が厳しくなり、キャンパスで友だちに簡単には会えず、海外への旅や留学もままならない1年間を過ごしました。卒業式を前に何を思うのか、東京の学生たちの声をお伝えします。

重なった就活と非常事態宣言

 昨年、第1回目の緊急事態宣言が出た4月から5月にかけ、大学4年生たちは就職活動のまっただ中でした。

 萌さん(仮名)は就職活動で苦戦していたところ、緊急事態宣言が発令されました。「就活と緊急事態宣言がかぶってメンタルがやられた。遊ぶには罪悪感があって、友だちにも会えずつらかった」といいます。

 大学4年生に話を聞くと、この時期、就活以外は外出せずに我慢をして過ごしていたのに、メディアやSNSで「感染拡大は若者のせい」とされがちであったことに不満を感じていたといいます。智也さん(仮名)は次のように振り返ります。

 「我慢していたのに若者は我慢していないという目で見られたことは本当にストレスだった。政治の対応がずさんでスピード感のなさにも腹が立った。それでも自分たち4年生は、入学しても大学に通えない1年生と比べたら、まだましなのかな」

留学も帰省も取りやめ

 また、コロナで移動が制限されたことで、最後の学生生活は例年と大きく様変わりしました。鳥取県出身の翔太さん(仮名)は、就職活動が長期にわたるため、4年生の秋に短期留学をしようと計画していました。が、今は後悔しているといいます。

 「留学の受け入れ自体が中止になってしまった。こんなことになるなら、入学直後から留学に挑戦しておけばよかった」

 翔太さんは年末年始に実家に帰省することを…

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藤田結子

明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。