東芝問題リポート

「ファンドの提案は不毛だ!」東芝株主総会で批判噴出

今沢真・経済プレミア編集部
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東芝の臨時株主総会が開かれたイベント会場=東京都新宿区で3月18日午前9時50分、今沢真撮影
東芝の臨時株主総会が開かれたイベント会場=東京都新宿区で3月18日午前9時50分、今沢真撮影

 東芝は18日、東京都内で臨時株主総会を開き、大株主である海外投資ファンド2社から提案された二つの議案を審議した。その結果、1議案を賛成多数で可決し、残る1議案を否決した。東芝は2議案に反対しており、会社の意向を株主が退ける事態となった。一方、総会では株主から、投資ファンドに対して「提案内容は不毛なものだ。こんな茶番をやっている時間はない」などと強い批判が噴き出した。

「壮大な無駄を仕掛けた」と株主

 出席株主から批判が相次いだのは、海外ファンド、チヌークだ。同ファンドは、東芝経営陣の投資計画に反発し、納得いく計画がなければ今後5年間の利益をすべて株主に還元するよう義務づける議案を提出した。

 この議案に対して株主の一人は「この場に提案者がいれば伺いたい。コロナ禍のなか現金を流出させる議案は、さすがにいかがなものかと思う。提案理由を聞きたい」と質問した。チヌークの出席者はおらず、回答はなかった。

 別の株主は、「壮大な無駄を仕掛けてくる投資ファンドの提案の動機は、不純なものだ」と、株主総会開催のコストが無駄だと強調した。この議案の可決には出席株主の3分の2の賛成が必要で、採決で否決された。

エフィッシモは弁護士が出席

 一方、可決された議案を提出したのは東芝の筆頭株主、エフィッシモだ。議案では、昨年7月に東芝が開いた定時株主総会に問題があったとして、独立した弁護士3人による再調査を求めた。エフィッシモは弁護士が出席して提案理由を説明し、他の株主からの質問にも答えた。

 エフィッシモが問題にしたのは二つ。まず、同株主総会で集計を代行した信託銀行が、期限ぎりぎりに届いた議決権行使書を無効…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。