経済プレミア・トピックス

銀座は地価下落でも「軽井沢と熱海」なぜ上昇?

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
  • 文字
  • 印刷
新型コロナウイルスの緊急事態宣言解除後、東京・銀座を歩く人たち。今後の地価の動向は見通せない=東京都中央区で2021年3月22日、佐々木順一撮影
新型コロナウイルスの緊急事態宣言解除後、東京・銀座を歩く人たち。今後の地価の動向は見通せない=東京都中央区で2021年3月22日、佐々木順一撮影

 国土交通省が3月23日に発表した公示地価(2021年1月1日時点)は、新型コロナウイルスの感染拡大が全国の地価に与える影響が注目された。外出自粛やテレワーク(在宅勤務)は地価に変化をもたらしたのだろうか。

 今回の公示地価は、昨年9月発表の基準地価(20年7月1日時点)から半年が過ぎ、昨春以降のコロナの影響を暦年で反映する初めての地価となった。地価はリーマン・ショック直後も大きく下落した。今回の落ち込みは過去と比べ、どれくらいなのかも気になるところだ。

 コロナの影響は地方によって温度差があるが、全国平均で見ると、住宅地が前年比でマイナス0.4%、商業地が同0.8%といずれも落ち込んだ。住宅地は16年以来5年ぶり、商業地は14年以来7年ぶりのマイナスだ。

銀座、道頓堀、祇園など大幅下落

 象徴的なのは、毎年全国で最高額となる東京・銀座の地価だ。中央区銀座4丁目の山野楽器前は今年も07年以来15年連続で全国一となったが、コロナの影響で12年以来9年ぶりに下落に転じた。しかも、マイナス7.1%と下げ幅が大きかった。

 銀座など東京圏の商業地は前年まで訪日外国人旅行者の増加とともに、店舗やホテルの需要が旺盛だったが、コロナで一転。「訪日客の需要がほぼ消失し、国内客も大幅に減少したことから、飲食・物販店舗の収益性が低下し、地価は下落に転じた」(国交省)という。

 これは大阪圏や名古屋圏の商業地も同様で、大阪市中央区道頓堀は下落率が28.0%で全国ワースト。ここは大阪を代表する繁華街だが、老舗ふぐ料理店の「づぼらや」が昨年、コロナの影響などで閉店し、話題となった。大阪のように訪日客でにぎわっていた…

この記事は有料記事です。

残り1057文字(全文1757文字)

川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部