職場のトラブルどう防ぐ?

「高評価と重圧」26歳転職者が素直に質問できない理由

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A美さん(26)は、従業員数約200人の精密部品卸会社で営業事務として働いています。前任者がまもなく退職するため、その後任として数カ月前に入社し、引き継ぎを受けています。A美さんにとってこの会社は3社目です。今の職場で認められ、長く仕事を続けてキャリアアップしたいと思っていますが、一方でそれがプレッシャーとなっています。

これまでの仕事の経験

 A美さんは、大卒後に入った会社で上司との折り合いが悪く、ほとんど仕事をさせてもらえませんでした。入社からほどなく、部署全体で短期間に対応する業務があり、A美さんも業務の一部を任されましたが、仕事に慣れない中でミスが多発しました。上司からは「あなたに任せた私がどうかしていた」とイヤミを言われました。同僚たちもA美さんをフォローすることなく、遅くまで残業して納期になんとか間に合わせました。

 A美さんは徐々に朝起床できないことが多くなり、遅刻や欠勤が続いて会社に行きづらくなりました。会社で頼れる人もおらず、存在を認められない“透明人間”になったような気分がつらく、入社から半年で退職しました。

 幸い、次の職場がほどなく見つかり、契約社員として入社しました。同年代の女性が多く、マニュアルが整備されていて、わからないことは同僚や先輩に聞くことができました。A美さ…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/