メディア万華鏡

生理休暇から「生理の貧困」70年続く女性たちの闘い

山田道子・元サンデー毎日編集長
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コロナ禍で「生理の貧困」は連日メディアに登場するようになった
コロナ禍で「生理の貧困」は連日メディアに登場するようになった

 初潮を迎えたものの、生理用ナプキンを持ち歩いているのを知られたくないという女の子のために「ハンカチポーチ」の作り方を紹介する記事(毎日新聞2019年3月18日朝刊)を読んだ時、「生理は隠すもの」という固定観念を助長しないかな、と少し心配した。

 もっとも、恥ずかしさの感覚は個人によって異なるし、人に知られたくなくてナプキン交換を怠るのは体によくないから、社会が変わらないと、と願った。

 確かに動きは著しい。ウェブメディア「オモコロ」に連載、書籍化された漫画「生理ちゃん」(KADOKAWA)は、小山健さんがキャラクター「生理ちゃん」と女性のつきあいを描いた。2019年の手塚治虫文化賞短編賞を受賞し、映画にもなった。

 同じころ、「#NoBagForMe(袋は不要です)」というツイッターのハッシュタグで、コンビニやドラッグストアで生理用品を黒やグレーなどの袋に入れられるのを断ろうという運動も起きた。

 女性特有の健康・身体の問題をテクノロジーで解決する「フェムテック(Femtech)」と呼ばれるサービスやアイテムも有望市場となった。生理に関しては液体吸収ショーツや生理管理アプリなどが次々開発されている。

連日報道される「生理の貧困」

 しかし、コロナ禍で日々の生活に困る女性は、そんなフェムテックの恩恵にあずかれないどころか、普通の生理用品も買えない。連日メディアに取り上げられるようになった「生理の貧困」だ。

 例えば、毎日新聞の3月21日朝刊東京版は、東京都豊島区、足立区、北区と、生理用品を無償配布する動きが都内の自治体で広がっていることを伝えた。

 「コロナ禍でアルバイトを失い学生が経済的…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。