株主になったら

「株主総会に来ないで」コロナで相次いだ来場自粛要請

中西和幸・弁護士
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「来場自粛のお願い」を赤い文字で記載した株主総会招集通知
「来場自粛のお願い」を赤い文字で記載した株主総会招集通知

コロナ禍と株主総会(1)

 新型コロナウイルス感染が拡大するなか、株主総会はこの1年どのように開催されてきたのでしょうか。また、今年の株主総会シーズンに向けて、どんな準備が進んでいるのでしょうか。企業法務に詳しい中西和幸弁護士が4回にわたって紹介します。

招集通知に「来場自粛要請」を記載

 2020年の株主総会を振り返ります。1月下旬ごろからコロナウイルスの流行が警戒され始め、感染が次第に広がり、4月上旬から5月まで緊急事態宣言が発令されました。緊急事態宣言が解除されても、コロナ対策に万全を期すため各所で対策が続きました。

 こうした新型コロナウイルスの流行は、株主総会にも大きな影響を及ぼしました。最も一般的に行われたのは、会場でコロナ感染が広がるリスクを避けるため、株主に対して来場を控えるようお願いしたことです。

 具体的には、株主総会の招集通知に記載したり、招集通知にお願いの手紙を同封したりしました。この対応はあくまで株主の自発的な「来場自粛」をお願いするものでした。実際に来場した株主に対し、入場を拒絶することは基本的に想定されていませんでした。

緊急事態宣言で会場の変更

 多くの会社では、毎年使用している会場を使用することができ、椅子の間隔を空けて入場者数を減らす対応が一般的でした。しかし、4月前後に開催した会社の中には、会場に予定していた会議室や貸しホール等が緊急事態宣言で営業を中止するところがあり、自社の会議室で開くしか方法がなくなった会社もありました。

 こうしたケースは会場がかなり狭くなったため、人数制限もやむを得ない対応でした。ただしこの場合でも、株主の納得が得られ…

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中西和幸

弁護士

1992年東京大学法学部卒。95年弁護士登録。上場企業の社外取締役、社外監査役を務め、企業法務に詳しい。共著に「会社役員の法務必携」(清文社)、「企業法務からみた株式評価とM&A手続き」(同)、「『社外取締役ガイドライン』の解説」(商事法務)、「企業不祥事インデックス」(同)など。