いま地球環境を考える

日本も世界標準に?「温室ガス削減」今が転換点の理由

小西雅子・WWF(世界自然保護基金)ジャパン専門ディレクター
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地球温暖化防止に向け、日本でも再生可能エネルギーの導入が進んでいる=北海道寿都町で2020年8月27日、高橋由衣撮影
地球温暖化防止に向け、日本でも再生可能エネルギーの導入が進んでいる=北海道寿都町で2020年8月27日、高橋由衣撮影

 この夏に向け、私たちは「環境と経済の好循環」を実現する重要な曲がり角に立っています。それは私たちの生活にかかわるのはもちろん、日本企業のビジネスにも影響します。どういうことでしょうか。

 2019年に大ヒットした新海誠監督のアニメ映画「天気の子」が描くような気候変動を私たちは防がなくてはなりません。

 地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」は、産業革命前からの世界の平均気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指しています。

 この目標を達成するため、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が年末に英国で開催されます。各国は2030年の温室効果ガス排出量の削減目標をCOP26に向けて再提出することになっているのです。

「2050年ゼロ」に向けた行動計画

 産業革命前と比べ、世界の平均気温は人間活動によって約1度上昇しました。日本は過去100年で約1.24度上昇しています。これまで日本は温暖化対策に後ろ向きと批判されてきましたが、今回は2030年の目標を引き上げるチャンスなのです。

 世界は日米欧ともに「2050年温室効果ガス実質ゼロ」の目標では足並みがそろいました。今はそれを本気で実現するため、2030年に向けた行動計画をどうするかが最大の焦点となっています。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、「2050年ゼロ」のためには、2030年に世界全体で「2010年比45%」の削減が必要と指摘しています。欧州連合は早々と「1990年比55%」に削減目標を引き上げました。それまでの目標は40%削減ですから、一気にグレードアップです。

 そして温暖化対策に熱心なバイデ…

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小西雅子

WWF(世界自然保護基金)ジャパン専門ディレクター

 神戸市生まれ。米ハーバード大修士課程修了、法政大博士(公共政策学)。中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005年に国際NGOのWWFジャパンへ。地球温暖化防止の国際交渉などで施策提言を行う。15年から昭和女子大特命教授を兼務する。東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会街づくり・持続可能性委員会委員、環境省中央環境審議会委員なども務めている。