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所有者不明土地「相続登記の義務化」の実効性は?

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 近年、不動産登記簿を見ただけでは所有者がすぐには判明しない、あるいは判明しても連絡がつかない「所有者不明土地」が増加している。これにより災害からの復旧や公共事業の土地取得にも悪影響が出ている。また、所有者に利用意向がなく、適切に利用・管理されない「管理不全土地」も増加している。

 これらの問題に対処するため、法務相の諮問機関である法制審議会は今年2月10日、民法・不動産登記法の改正などに関する要綱を答申し、政府は3月5日に改正案を閣議決定した。通常国会で審議し、2023年度施行の見通しである。

 本稿では、要綱に盛り込まれた(1)登記申請の義務化と、(2)「土地所有権の国庫帰属」(従来「土地所有権の放棄」として検討されていた制度)について触れたい。

10万円以下の過料も

 現在、不動産の権利(所有権、担保権など)に関する登記をするかは権利者の判断に委ねられている。しかし、登記は、第三者に権利…

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