けいざい多面鏡

野村や三菱UFJに損失「3月26日金曜日」に何が起きた?

今沢真・経済プレミア編集部
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=2019年4月15日、曽根田和久撮影
=2019年4月15日、曽根田和久撮影

 野村ホールディングスや三菱UFJ証券ホールディングス、みずほフィナンシャルグループで3月末以降、米国で投資会社との取引に絡み巨額損失の可能性が生じたことが相次いで明らかになった。スイス金融大手クレディ・スイスも同様だ。各社は「損失が生じる事象が3月26日に発生した」と説明している。この日に何が起きたのか。

 最初に公表したのは野村ホールディングスだ。「3月26日に米国子会社で、米国顧客との取引に起因して多額の損害が生じる可能性のある事象が発生した」と3月29日の月曜日早朝に発表した。損害は約20億ドル(約2200億円)の可能性があるという。

 三菱UFJ証券ホールディングスも30日、「米顧客との取引で多額の損害が生じる可能性のある事象が3月26日に発生した」と公表し、翌31日になって損失が約2.7億ドル(約300億円)に確定したと発表した。みずほフィナンシャルグループでも100億円規模の損害の可能性が生じたことがわかっている。

ゴールドマンが運用株を強制売却

 米メディア、ブルームバーグなどの報道によると、この米国顧客は投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントだ。アルケゴスの投資運用の詳細は明らかになっていないが、手持ち資金の数倍の運用を行う「レバレッジ」を効かせた投資を行っていた模様だ。運用株式の急落で借入先の金融機関から追い証(追加担保)を求められたが応じることができず、行き詰まったとみられる。

 3月25日木曜日、クレディ・スイス、野村、米ゴールドマン・サックスなど主要取引先が協議した。アルケゴス側は協議で追い証や強制売却の先延ばしを要請したが、結論は出なかった。翌26日…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。