クルマ最新事情

新型トヨタ86スバルBRZ“味付け”決めた「鶴の一声」

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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トヨタ自動車が発表した新型スポーツカー「GR86」=同社提供
トヨタ自動車が発表した新型スポーツカー「GR86」=同社提供

 トヨタ自動車とSUBARU(スバル)は両社が共同開発した新型スポーツカー「トヨタGR86(ハチロク)」と「スバルBRZ」を4月5日に発表した。両社のエンジニアやテストドライバーらがオンラインの合同発表会に登壇し、2代目となる新型86・BRZの開発秘話を披露した。

 トヨタ86は1980年代にヒットした「カローラレビン」「スプリンタートレノ」(通称ハチロク)の後継モデルとして、2012年に姉妹車のスバルBRZとともに登場。今回の新型86はトヨタの高性能スポーツモデルの証しである「GR」(GAZOO Racing)の称号が付いた。これは、初代よりも2代目が本格的なスポーツカーに進化したことを意味する。

「世界一の86ファン」とは

 当初、新型86は今年1月のクルマの祭典「東京オートサロン」で正式に発表されると見られていた。ところが、新型86の開発責任者でトヨタ執行役員の佐藤恒治氏によると、開発の最終段階で「世界一の86ファン」から一声がかかり、操縦性の見直しを迫られたという。

 「世界一の86ファン」とは、モリゾウことトヨタの豊田章男社長のことだ。モリゾウとは豊田社長のレーシングドライバーとしての愛称だ。

 豊田社長は新型86にテストコースで試乗し、「本当にこれでよいのか」と、開発スタッフに苦言を呈した。「今度つくるのはトヨタ86ではなく、GR86だ。これで本当にみんなが笑顔になれるのか。86らしさがもっとほしい」と、豊田社長はさらなる操縦性の向上を求めたという。

最終段階でバネを変更

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部