人生に必要な「おカネの設計」

年金暮らしの夫婦が安心「70歳からの高額療養費制度」

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
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 65歳で定年を迎え、年金暮らしを始めたA男さん(65)は、専業主婦の妻(65)と2人暮らしです。現在加入している医療保険について悩んでいて、私のところに相談に来ました。保障は70歳までで、入院日額1万円、成人病で入院する場合はさらに1日1万円が上乗せされる充実した内容ですが、更新を繰り返してきたことで保険料が月約3万円になっていました。

公的医療保険の内容を知ろう

 A男さんは、最近入院した友人から「医療保険の入院給付金が出て差額ベッド代の足しになった」という話を聞きました。高齢になれば医療保険の必要性が増すと考えていますが、年金暮らしとなり、保険料の負担を重く感じています。A男さんの収入は年金のみで、妻の分と合わせて年約340万円です。この額が70歳以降も続くと想定しています。もっと安い保険に入り直すべきか迷っていました。

 一般的に保険は、保障内容が充実する▽年齢が上がる▽持病がある――ことで、保険料が高くなります。こうした制約がある中では、保険料負担の少ない保険を探すよりも、公的医療保険の内容を把握して、それで足りない分を貯蓄しておくことが大切です。私は、公的医療保険の基本と70歳以上の高額療養費制度について、A男さんに説明しました。

70歳以上75歳未満は原則2割負担

 まず、公的医療…

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岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。